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唯「キーボード担当、琴吹紬ちゃん」


TVアニメ「けいおん!!」『けいおん!! ライブイベント ~Come with Me!!~』Blu-Ray メモリアルブックレット付【初回限定生産】


1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 20:38:46.43 ID:ZG/U/jrT0
紬「……」
カタカタカタカタカタカタカタカタ

唯「一日中パソコンの前に座ってキーボードを叩いています……」


8 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 20:45:13.11 ID:ZG/U/jrT0
紬「へっ、またブサヨがバカなこと言ってるよ……」
カタカタカタカタカタカタカタカタカタ

唯「紬ちゃんは一日中2ちゃんねるというアングラ掲示板サイトに貼りついて、
  そこに居る人を煽ったりバカにしたり論争したりしています……」


9 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 20:45:54.29 ID:JNMA51A1O
むぎゅかわいすぎワロタ


10 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 20:47:45.45 ID:rLulWnMPO
和「2ちゃんはアングラではないわ」


13 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 21:14:07.67 ID:ZG/U/jrT0
唯「ムギちゃん、学校……いこ?」

紬「嫌よ」
カタカタカタカタ

唯「ムギちゃん……」

紬「高校なんて義務教育じゃないから行かなくてもいいの。
  将来は親が選んだ相手と結婚すればいいし、
  そうでなくても親のお金で一生暮らせるから勉強なんて必要ない。
  だから学校には行かない。はい論破」

唯「……」


14 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 21:25:04.04 ID:TggqfCmMO
いつもとは違う意味で病んでるな


15 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 21:27:35.29 ID:ONex+mDHO
ギャプ!ギャプ!クソワロタ!


16 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 21:31:38.63 ID:ZG/U/jrT0
今日も紬ちゃんの説得はできませんでした。
私は諦めて学校に向かいました。

学校に着くとグラウンドに澪ちゃんの姿が見えました。

唯「ベース担当、秋山澪ちゃん」

澪ちゃんは女子野球部で1塁ベースを守るポジションに付いています。


19 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 21:35:56.16 ID:ZG/U/jrT0
澪「お、唯~」

澪ちゃんは私に気付いたようでした。
野球のユニフォームに身を包んだ澪ちゃんが私に手を振りました。
私も手を振り返します。

唯「朝練頑張ってねー」

澪「おーう」

練習の邪魔をするのも悪いので、
私はさっさと教室へ行くことにしました。


24 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 21:40:41.84 ID:ZG/U/jrT0
教室には既にりっちゃんが来ていました。

唯「ドラム担当、田井中律ちゃん」

りっちゃんは今日もドラム缶の中にこもっています。
こうやって外界との交流を断って、もうどのくらい経つでしょうか。
私たちはりっちゃんの顔を久しく見ていません。

唯「りっちゃん、おはよう」

それでも私は一応、りっちゃんのドラム缶に挨拶をします。
返事はありませんでした。


27 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 21:47:46.50 ID:ZG/U/jrT0
授業が始まってもりっちゃんが出てくることはありません。
教室のど真ん中に大きなドラム缶がある。
そんな異様な光景にも、みんなはもう慣れていました。

先生「えーと今日は15日だから……名簿の15番は……田井中か……。
    じゃあその次の手塚、この問題をやってくれ」

先生も順応していました。


29 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 21:53:34.69 ID:ZG/U/jrT0
お昼休みになってもりっちゃんが何か行動を起こすことはありませんでした。
まあいつものことなんですけど。

澪「よー唯~、昼ごはん食べようぜ」

和「私も良いかな」

澪ちゃんと和ちゃんが教室にやってきました。
和ちゃんは生徒会役員です。

2人はりっちゃんのドラム缶に声をかけ、
私のところにやってきました。


30 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 21:57:29.90 ID:ZG/U/jrT0
澪ちゃんは真っ黒に日焼けしていました。
心なしかガタイが良くなったような気もします。

澪「さーて、昼ごはん昼ごはん」

澪ちゃんのお弁当箱は、私たちと比べて一回り大きなものでした。
その中にはボリューム満点のおかずが詰まっています。

澪「いっただきまーす」ばくばく

和「相変わらずいい食べっぷりね」

澪「ああ、ちゃんと食べとかないと放課後の練習がもたないからな」


32 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 22:02:51.23 ID:ZG/U/jrT0
澪ちゃんは野球部のエースでした。
1年の頃は補欠にもなれなかったけど、
猛練習を重ねて今の地位を獲得したのです。
私にとって澪ちゃんはまぶしい存在でした。

唯「澪ちゃんはスゴイよね~」

澪「はは、そんなことないって」

澪ちゃんは謙遜しましたが、
何もやらずにただ漫然と日々を過ごしている私と、
野球部で毎日頑張っている澪ちゃんのどちらが凄いかは明らかです。


33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 22:03:50.41 ID:9q+fj13k0
野球娘な澪ちゃんも可愛いよ


34 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 22:07:47.94 ID:ZG/U/jrT0
澪ちゃんはさっさとお弁当を食べ終えると、
野球部の人に呼ばれて出ていってしまいました。

唯「私も何かやってみようかなぁ」

和「何か、って?」

唯「それはまだ決めてないけど。
  やっぱり高校時代に何もやらずにいるのは、勿体ないかなって」

和「まあ、そうねぇ」

唯「何かないかな~」

和「そうだわ、生徒会に欠員が出たの?やらない?」

唯「生徒会か~」


35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 22:08:28.99 ID:ZG/U/jrT0
訂正

和「そうだわ、生徒会に欠員が出たの。やらない?」


38 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 22:16:37.60 ID:ZG/U/jrT0
私は生徒会に入ることにしました。
他に候補者がいなかったので採用してもらえました。

順調に仕事をこなし、周りの人から評価され、
私の会議での発言権も大きくなってきました。

そして私は、ついに生徒会長にまで上り詰めたのです。

和「おめでとう、唯」

和ちゃんは副会長です。
私の右腕として働いてくれることとなりました。

唯「ありがとう、和ちゃん」

私の支持率は80%を超えていました(生徒会調べ)。
私が廊下を歩いていると、唯会長、唯会長とみんなが声をかけてくれます。


44 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 22:25:08.76 ID:ZG/U/jrT0
放課後、無人の教室。
私はりっちゃんのドラム缶の前に立っていました。

唯「りっちゃん、私、生徒会長になったんだよ」

いつものことですが、りっちゃんは反応してくれませんでした。
でも、きっとドラム缶の中で私の声を聞いてくれているはずです。

するとその時、誰かが教室に入ってきました。

梓「唯せんぱ……いや、会長」

知らない子でした。
おそらく下級生でしょう。

またサインのお願いかな、と思い、私はふところからペンを取り出しました。


45 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 22:32:03.10 ID:ZG/U/jrT0
梓「サインじゃありません」

唯「あ、そう。何の用?」

梓「わ、私のこと……覚えてませんか」

唯「?……ごめんなさい、分からない。
  校内ですれ違ったりしたことはあるかもしれないけど」

梓「私は、中野梓です」

唯「な……なか……の…………」

なんでしょう、なにか、脳の奥に引っ掛かります。
私はその名前に聞き覚えがありました。

唯「あずさ……?」

梓「そうです、中野梓です!けいお……」

するとその時、りっちゃんのドラム缶が立ち上がったのです。


48 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 22:36:43.54 ID:ZG/U/jrT0
立ちあがったという表現は語弊があるかもしれませんが、
ドラム缶の底から足が生えて、とにかく立ちあがったのです。
昔流行った安部公房の「箱男」みたいな感じといえば良いでしょうか。

りっちゃんはそのまま中野梓さんに向かって突進を開始しました。

梓「きゃ、きゃあああああああ!」

ドラム缶が迫ってくるという恐るべき事態に遭遇し、
中野梓さんは叫び声をあげて逃げて行きました。

教室はふたたび、私とりっちゃんの2人きりになりました。

唯「り……りっちゃん」


49 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 22:39:36.35 ID:HUnkph4EP
りwwwつwwwwww


50 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 22:42:00.95 ID:6S3U0ERK0
はやく続けたまえ


51 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 22:42:08.82 ID:+29CulblO
戦りつ!ドラム缶女


52 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 22:42:18.39 ID:ZG/U/jrT0
唯「りっちゃん?動けるの?」

りっちゃんは私の問いかけを無視し、
自分の席へと戻って行きました。

唯「りっちゃん、何であんなことを……」

無視されました。

唯「ねえ、あの子のこと、何か知ってるの?」

反応はありませんでした。

唯「りっちゃん、何か答えてよ!」

りっちゃんはいつものように何も話さず、
ドラム缶はそれから動くことはありませんでした。


53 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 22:42:53.48 ID:EZB0NTL30
シュールなのになんか真面目な話っぽいぞ


54 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 22:45:08.06 ID:ZG/U/jrT0
私は諦めて教室を後にしました。

その後、校舎やグラウンドを軽く捜してみましたが、
中野梓さんは見つかりませんでした。
きっと帰ってしまったのでしょう。

その日は生徒会の仕事はなかったので、
私もさっさと下校することにしました。

唯「……」

私はムギちゃんの家に寄ることにしました。
中野梓さんのことを何か知っているかもしれないからです。


56 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 22:50:16.38 ID:ZG/U/jrT0
ムギちゃんの家に着いてインターホンを押し、
自分の名前を告げると、執事さんが出てきてムギちゃんの部屋まで案内してくれました。
もう覚えているので案内はいい、と言いましたが、仕事ですから、と返されました。

ムギちゃんは相変わらずパソコンに向かっていました。

紬「……ったく、これだからミンスは……マスゴミも……ブツブツ」
カタカタカタカタカタカタ

唯「ムギちゃん」

紬「ねえ!ちゃんと両親に自民党にいれるように言ったの?
  うちの地区の自民党負けちゃったじゃない!」
カタカタカタカタ

唯「私の両親が入れたとこで変わんないと思うよ……
  それよりムギちゃん」

紬「なに?学校なら行かないから」
カタカタカタカタカタ

唯「中野梓さんって知ってる?」

ムギちゃんのキーボードを叩く手が止まりました。


60 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 22:56:35.89 ID:ZG/U/jrT0
唯「知ってんの?」

紬「はあ?これだから質問厨は……
  ちょっとは自分でググるなり調べるなりしろよ。
  なんでお前のために私が労力割かなきゃいけないのよ」

ムギちゃんはいつも通りの2ちゃんねるかぶれの口調で喋っていましたが、
言葉の端々に戸惑いが見え隠れしていました。

唯「知ってるんでしょ?教えてよ」

紬「うぜえよ、しつこくしてたら教えてもらえると思うなよ、
  これだからゆとりは……ブツブツ」

唯「……」

教えてくれそうにありません。
私は帰ることにしました。


63 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 23:03:30.54 ID:ZG/U/jrT0
家に帰ると憂が出迎えてくれました。

憂「お帰り、お姉ちゃん……いや、会長様!」

唯「ただいま、やめてよ、家でまで会長なんて」

憂「あはは」

唯「ねえ、憂」

憂「ん?」

唯「中野梓さんって知ってる?」

憂「梓ちゃん?私のクラスメイトだよ」

唯「!……ほんと?」

憂「え、うん」

唯「ねえ、どうにかその子と連絡とれないかな?」

憂「え、うん、電話でいい?」

唯(やった……!)


64 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 23:10:01.28 ID:ZG/U/jrT0
憂は携帯電話を操作して、中野梓さんに電話をつなげてくれました。

憂「あ、梓ちゃん?今いいかな、お姉ちゃんが電話したいって……うん、うん」

憂は中野梓さんと二言三言交わし、
私に電話を貸してくれました。

私はドキドキを抑えながら、電話に耳を近づけました。

唯「中野梓さん?いきなり、ごめんね」

梓『ゆ、唯先輩……』

唯「ねえ、今日の、放課後のことなんだけど……
  私に何か用があったの?」

梓『はい……唯先輩、覚えてませんか?
  軽音楽部のこと……』

唯「軽音……楽……部?」

軽音楽部。
日常でもたまに耳にするなんでもない言葉ですが、
それは何か私にとって深い意味を持つような気がしました。

なんだろう……なにか、大事な……。

その時、憂が私の手から携帯電話を奪い取りました。


67 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 23:16:16.09 ID:ZG/U/jrT0
憂「ごめんお姉ちゃん、充電が足りなかったよ!
  またあとでいいかな?ね?」

そう早口でまくしたて、憂はすばやく通話停止ボタンを押しました。
明らかに普通の態度ではありません。

唯「憂!憂までどうしたの?何なの?
  中野梓さんに何があるの?教えてよ、憂!!」

憂「そ、そんなことどうでもいいでしょ。ほら、もうすぐ晩御飯出来るから、
  早く着替えてきて……」

唯「ごまかさないでよ!教えてよ、憂!!」

憂「何もない、何もないよ。梓ちゃんはお姉ちゃんとは何の関係もない」

唯「憂!」

憂「何もない、何もないよ。梓ちゃんはお姉ちゃんとは何の関係もない」

唯「憂、ふざけないで!」

憂「何もない、何もないよ。梓ちゃんはお姉ちゃんとは何の関係もない」

何度尋ねても、それを繰り返すばかりでした。


68 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 23:17:07.23 ID:6S3U0ERK0
なにこれこわい


69 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 23:18:10.17 ID:CMKC8Hd60
恐ろしい
だが惹き付けられる


70 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 23:21:30.65 ID:L0YOsdFx0
けいおん知らないけどこういうの好きだ


71 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 23:21:35.66 ID:ZG/U/jrT0
何かある。
中野梓さんには、何か大事なことが。
私が知ってはいけない、でも、知らなければならないことが。

深夜3時。
もう憂は寝ているでしょう。
私は、憂の部屋にこっそり忍び込みました。
携帯を勝手に借りて、中野梓さんに連絡を取るためです。

携帯は枕元に置かれていました。
私は携帯を手に取り、電話帳をひらいてみましたが、
中野梓さんは登録されていませんでした。
発信履歴も削除されています。
どうやら、私がこうするのを見越していたのでしょう。

唯「くそ……」

私はどうすることもできず、
部屋に戻り、寝ることにしました。


75 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 23:26:49.20 ID:ZG/U/jrT0
次の日。
学校で澪ちゃんに中野梓さんのことを聞いてみましたが、
やっぱりムギちゃんや憂と同じような反応をするだけでした。

だれも味方はいません。
私一人で、真相を突き止めなければならないのでしょう。
中野梓さんがタブー視されている理由、
そして中野梓さんが私とコンタクトを取りたがっている理由……。
「軽音楽部」という言葉の謎……。

放課後、
私は1人で音楽室へと向かいました。


81 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 23:34:47.68 ID:ZG/U/jrT0
音楽室の前には、和ちゃんが立っていました。

唯「和ちゃん……?」

和「唯会長。この扉を、音楽室の扉をあけるの?」

唯「和ちゃんも……知っているんだね、中野梓さんのこと」

和「それは言えないわ。でも、これだけは忠告してあげる。
  この扉を開け、中にいる中野梓と接触すれば、取り返しのつかないことになる。
  それでもいいの?」

唯「な、何を……ねえ、知ってることがあるなら教えてよ!」

和「無理よ。私だけの責任じゃ無理なの」

唯「……みんなグルなんだね、澪ちゃんやりっちゃん、ムギちゃん、そして憂も」

和「ええ」

唯「みんな、何を隠してるの……」


83 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 23:40:06.80 ID:ZG/U/jrT0
和「この扉を開ければ分かるわ……
  でも、知らない方が良いこともある」

唯「……」

和「どうするの?私は、このまま引き返すのを勧めるけど」

唯「……見るよ」

和「唯……」

唯「知らない方が良いことなんてないよ……
  それが私に関わることなら、なおさら」

和「……そう……強くなったわね、唯……
  じゃあもう引き留めないわ、真実を見なさい」

和ちゃんはそう言い残し、
階段を降りて去って行きました。

唯「……」

私は音楽室のドアノブに手をかけました。


90 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 23:47:13.19 ID:ZG/U/jrT0
音楽室には中野梓さんがいました。

梓「唯先輩……」

唯「中野さん……教えて、何があったのかを」

梓「……先輩は、やぱり覚えていないんですね。
  軽音楽部にいたことを」

唯「私が軽音楽部に?」

梓「はい、ギターを弾いていました。
  澪先輩や、律先輩や、ムギ先輩、そして私も軽音部でした」

唯「どういうこと……?そんな記憶は……」

梓「…………夏休みの、合宿の帰りです。
  そこで私たちは事故にあいました」


95 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 23:53:13.49 ID:ZG/U/jrT0
唯「事故?」

梓「ええ、電車の事故です……乗っていた大勢の乗客が即死……
  悲惨な事故でした」

唯「そんな事故、聞いたこともないよ」

梓「そりゃそうです、こことは別の世界の出来事ですから」

唯「別の世界……その事故と、私と、何の関係が?」

梓「……私たち軽音部員は事故に巻き込まれて……
  澪先輩、律先輩、紬先輩、そして出迎えに来てくれていた憂と和先輩も……」

唯「し……死んだの?」

梓「はい」


96 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/03(木) 23:53:53.44 ID:YU8YrBIX0
箱男っていうか、メカ沢っぽい>ドラム缶律


104 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/04(金) 00:01:32.92 ID:PQ9Rsm2R0
梓「この世界は、生と死のはざまのような世界です」

唯「……」

梓「澪先輩たちは、ここで唯先輩が死ぬのを待っているんです」

唯「……現実世界の私は……」

梓「病院で、寝たきりの状態です。
  脳にダメージを受けていて……危ないそうです」

唯「中野さんはどうやってここに?」

梓「……私は一旦目覚めて、事故のことや先輩たちのことを知りました……
  そのあとまた昏睡状態に陥ってしまったみたいで、この世界に迷い込んできたみたいなんです」

唯「何で……中野さんは前の世界のことを覚えているの……」

梓「みんな覚えているはずです。澪先輩も律先輩も紬先輩も和先輩も憂も。
  覚えてないのは唯先輩だけです」


110 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/04(金) 00:07:57.13 ID:PQ9Rsm2R0
唯「なんで私だけが……」

梓「さっきも言いましたけど、唯先輩は脳にダメージを受けてるんです。
  そのせいで記憶が飛んだり、変になったり……
  ドラムがドラム缶になったりとか、楽器のベースじゃなくて野球のになったりとか」

唯「ということは、りっちゃんは軽音部でドラムをやってて、澪ちゃんはベース……
  ムギちゃんはキーボードってこと……」

梓「そうです」

唯「……ねぇ……中野さん…………」

梓「はい」

唯「私、どうしたらいいの……」


119 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/04(金) 00:14:21.18 ID:PQ9Rsm2R0
梓「……今ならまだ生き返ることもできます……
  でもその時は……他の先輩や憂とは……」

その時、勢いよく音楽室の扉が開かれました。

澪「唯!」

紬「ネタバレ厨氏ね」

和「……」

ドラム缶をかぶったりっちゃんもいました。

唯「みんな……」

澪「和の様子がおかしかったから、問いただしてみたら……
  梓と接触しただなんて」

憂「お姉ちゃん、みんなで一緒に死のう!
  元の世界に戻っても、私たちとはもう会えないよ……私はそんなの嫌だよ」

和「……」

梓「先輩、ダメです!まだ生きてください!」

唯「私は……」


120 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/04(金) 00:15:47.04 ID:mSs1sn+PO
シリアスなのにドラムでふくwwww


123 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/04(金) 00:19:55.12 ID:PQ9Rsm2R0
和「唯、自分で選びなさい。梓と生きるのか、それとも私たちと死ぬのか」

澪「和、余計なこと言うな!」

憂「そうです……裏切り者……」

和「……私は、唯に自分の道を自分で選んでほしいだけよ……
  私たちが勝手に唯の進む道を決めて、それで唯は納得すると思うの?」

憂「しますよ!お姉ちゃんは私と一緒にいたいに決まってます……
  そうだよね、お姉ちゃん……」

唯「う、憂……」

澪「唯、ほら、こっちにこい」

紬「どう考えても死ぬべきだろ……これだから情弱は」

梓「先輩……」

唯「私は……」


131 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/04(金) 00:26:07.91 ID:PQ9Rsm2R0
唯「私は…………生きる」

澪「ゆ……唯……」

憂「な、なんで?お姉ちゃん、私とはなればなれになっちゃうんだよ?
  どうして……?」

紬「……」

和「唯……」

梓「唯先輩!」

唯「みんなが亡くなってるのは分かった……
  でも、だからってここで私も死んじゃうのは間違ってると思う……
  私はまだ生きてる……だから、これからも生き続けなくちゃならないと思うの」

憂「お姉ちゃん……っ」

唯「ごめんね憂……でも、最後にこうやって会えて嬉しいよ。
  普通なら会えるはずないもんね。神様に感謝しなきゃね」

憂「でも……おねえちゃ……うええぇっ」


136 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/04(金) 00:32:09.09 ID:PQ9Rsm2R0
私は泣きじゃくる憂を優しく抱きしめました。

憂「う……うああああああああん!!」

唯「憂……憂のこと、忘れないからね」

憂「ううううっ、おねえちゃ……うわああああん」

唯「私一人でも、大丈夫だから……」

憂「うああああああっ……」

唯「みんなも……」

澪「……」

紬「……」

和「……」

りっちゃんはドラム缶を脱いで、顔を見せてくれました。

唯「ありがとう」

そこで私の意識は飛びました。


140 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/04(金) 00:37:48.87 ID:PQ9Rsm2R0
唯「はっ」

目覚めるとそこは病院のベッドの上でした。
周りにはたくさんの機械があり、
私の身体はそこにチューブで繋がれていました。

ぼんやりした頭であたりを見回すと、
隣のベッドに梓ちゃんが寝ているのが見えました。

唯「あず……にゃん……」

私は現実の世界に戻ってこられたようです。


147 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/04(金) 00:45:44.52 ID:PQ9Rsm2R0
私は選びました。
生きることを。
澪ちゃんも、りっちゃんも、ムギちゃんも、和ちゃんも、憂もいない世界で。

生きている人間にできることは、
大事な人を追って死ぬことじゃなくて、
死を受け入れて、生きていくことだと思うから。

しばらくしてあずにゃんと私は退院し、
軽音楽部の活動を再開しました。
今はもう2人しかいませんが、なんとかやっていけてます。

私たちはみんなの分まで音楽を頑張って、
武道館ライブの夢を果たそうと思います。
それが、今生きている私が、みんなのためにできることなのです。

唯「さ、あずにゃん、練習するよ!」

梓「はい!」


            けいおん!

              完


149 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/04(金) 00:47:30.40 ID:wevhRtC4O



150 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/04(金) 00:47:35.99 ID:EgCsIA0yO
乙!おもしろかった
死ぬルートも見たいがそういうのは駄目って銀王様がいってた


166 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2009/09/04(金) 01:06:10.11 ID:ZCsTza+V0
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    これだけでかけりゃ女も虜だなorz

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